治療もケアも難しい
ティーンエイジの歯科治療

乳歯から永久歯に生え変わる時期は、口腔内だけでなく体や心も一気に成長する時期です。口腔内環境は個人差が大きくなり、親御さんによる仕上げ磨きも難しくなることから口腔内のトラブルが多くなってしまいがちです。

足立区梅島の歯医者「愛育歯科」では、乳歯から永久歯に生え変わる時期の患者様を対象にした「ティーンエイジ歯科」をご提供しています。

ティーンエイジ歯科とは?

ティーンエイジ歯科とは?

「小児歯科」と言うと、乳歯が生え始めたばかりの赤ちゃんから永久歯に生え変わるまでのお子様を対象とした診療メニューになりますが、その中でも特に難しいのが乳歯と永久歯が混在する時期です。当院では、この時期の治療を「ティーンエイジ歯科」と呼んでいます。

ティーンエイジ歯科の対象は10~19歳と幅が広く、この時期は成長度合いの個人差が大きい時期となっているため、たとえ同じ年齢でも治療内容は患者様一人ひとり異なります。

ティーンエイジ歯科の対象となる
お子様の親御さんへ

ティーンエイジ歯科の対象となる患者様の親御さんへ

10代になると乳歯の多くは永久歯へ生え変わっていきます。しかし、気を付けなければいけないのは、永久歯だからと言って大人と同じ強度があるわけではないということです。この時期の永久歯の成長度合いには個人差が大きいため、一人ひとりに合ったケアが大切になります。

この時期のケアや治療は、大人の歯にバトンタッチしてからもダイレクトに影響が出ることが特徴です。反抗期に入るお子様も多く、保護者の管理下に置くには難しい時期でもありますが、仕上げ磨きが難しくても歯科医院に定期的に通わせるだけでも安全性は保たれます。

親御さんには相談をしなかったけれど…と痛みや違和感をお話してくれるお子様もいらっしゃいます。この時期のお子様は成長期でナイーブな時期でもあるため、当院では、歯の状態や適切なケアについては親御さんだけではなくお子様ご本人にも直接伝えるようにしています。

小児歯科医と成人歯科医による
診療

小児歯科医と成人歯科医による診療

ティーンエイジ歯科で適切な処置を行うためには、小児歯科の知識と成人歯科の知識のどちらも欠かせません。また、使用する器具も一つひとつの歯の成長度合いに合わせて、小児用と成人用それぞれを使い分ける必要があります。そのため、当院では小児歯科医と成人歯科医とでタッグを組んで治療を行っています。

各分野の専門家が協力しあうことで、この難しい時期の歯の治療を適切に行うことができるのです。

ティーン歯科の診療の難しさ

乳歯と永久歯が混在している時期は、患者様一人ひとりの成長度合いを見極め、それに合わせた治療を行うことが大切です。見極めや処置を適切に行うためには、小児歯科と成人歯科それぞれの専門的な知識や技術を持っていないと非常に困難です。その理由には、下記のようなものが挙げられます。

乳歯の本数

乳歯の本数

同じ年齢でも乳歯が残っている本数には個人差が大きく、まったく異なります。また、歯の見た目もまったく異なります。歯が生えるのが早いお子様であれば、5歳から大人の歯が生えてきて、乳歯と永久歯が混在することになります。乳歯と永久歯では、歯の構造がことなるため、それぞれの専用器具での治療が必要になります。

永久歯でも未熟

永久歯でも未熟

生え変わったばかりの永久歯は、未熟で虫歯になってしまうと進行速度が早いのが特徴です。同じ年齢の患者様の同じ場所の歯であっても、生え変わった時期によって歯の成熟度合いは異なります。

歯根の長さが違う

歯根の長さが違う

歯根は、生え変わってから3~4年かけて伸びきるという特徴があります。表面上は見えない部分ですが、成長の度合いが大きく一律な予防や治療はできません。また、成長途中にある根の治療は、成長が完了した根の治療を行う場合よりも難易度が高まります。

乳歯と永久歯の日常的な
ケアについて

虫歯や歯並びなどの歯の問題は、できるだけ早いうちに見つけることができなければ大人になってからも引きずることになってしまいます。成長している最中のお子様の歯を健康なまま将来につなげていくためには、幼いころから歯科医院に継続的に通っていただくことが大切です。

ブラッシングのポイント

ブラッシングのポイント

乳歯と永久歯では歯の大きさがまったく違います。そのため、歯に段差ができてしまって乳歯だけのときと同じようなブラッシングでは不十分になってしまいます。また、歯の交換期は成長速度が早いため、汚れがたまる場所があっという間に変わってしまいます。そのためこの時期は、一番ブラッシングが難しく、成長度合いによって磨き方を変えていくことが大切です。

仕上げ磨きについて

仕上げ磨きについて

親御さんが仕上げ磨きをするのは9歳くらいまでの家庭が多いようです。10歳以降は思春期のお子様のメンタル面を考えると、仕上げ磨きが難しくなってしまいます。自覚症状があったとしても、相談できずにいる場合も多いため、より定期的な通院でのケアが大切になってきます。

定期的なチェックが大切です

定期的なチェックが大切です

この時期は、痛みがないまま進行する虫歯が多く、さらに痛みや違和感があった場合でも訴えることができずにいるお子様も多くいらっしゃいます。そして虫歯だけではなく、不正咬合についても気をつける必要があるため、ぜひ定期的な口腔内のチェックとケアにいらしてください。

治療方法について

歯の形態の異常「中心結節」の治療

歯の形態の異常「中心結節」の治療

中心結節とは、生えたての永久歯の真ん中に尖った突起が生じる形態異常のひとつです。この突起が折れてしまうと神経を抜かなければならなくなります。虫歯ではないのに歯を抜かなければならなくなってしまうため、早期に異常を発見し、治療や予防を行っていくことが大切です。

歯髄を保存するための治療:
生活歯髄切断法

永久歯の場合、神経まで進んだ虫歯は神経を完全に取る処置を行います。しかし乳歯や幼若永久歯の場合、神経の炎症は沈静化することが多いため、一部の神経のみを取り、根を温存するための治療を行います。これが生活歯髄切断法です。

根未完成歯の根の治療:
アペキソゲネーシス・アペキシフィケーション

歯根が完成している永久歯と違い、幼若永久歯は根の先が閉じていないホースのような状態のため、通常の根管治療を行うことができません。そこでとられる処置が、アペキソゲネーシスとアペキシフィケーションという方法です。歯髄が生きているかどうかでどちらの治療を用いるか決定しますが、どちらも開いている根の先を物理的に閉じて治療を行います。

歯の神経保存治療:MTAセメント

深い虫歯で歯の神経がむき出しになってしまった際に、神経を保護しながら蓋をするのがMTAセメントです。これにより、本来であれば保存できなかった歯の神経を残すことができます。